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久米 民和; 武久 正昭
Radiation Physics and Chemistry, 23(5), p.579 - 582, 1984/00
馬鈴薯澱粉廃液をモデルとして、未利用資源の飼料化への放射線処理効果について検討した。澱粉廃液中の懸濁物質は、5Mradまでの照射を行うことにより凝集が促進された。キチンの脱アセチル化物であるキトサンを凝集剤として用いると、照射廃液での凝集効果が著しく、キトサンと照射を併用することによる凝集促進効果が認められた。廃液中の可溶性タンパク質はキトサンにより凝集させることはできないが、照射することによりタンパク質が不溶化しキトサンによる凝集が容易となった。用いた凝粉廃液中には大腸菌群は検出されなかったが、総細菌数は1ml当り810個検出された。また10%のキトサンによる廃液凝集物(約8倍に濃縮)中には3.510個/mlの総細菌数が検出された。これら廃液および凝集物を照射するとほぼ同様の殺菌曲線が得られ、1.0Mradの照射で各々11個および45個/mlにまで減少した。したがって、キトサンの存在が殺菌効果に影響を及ぼすことはなかった。
久米 民和; 武久 正昭
食品照射, 17, p.28 - 31, 1982/00
食品や畜産業の廃水からタンパク質等を回収して飼料化することを目的として、キトサンによる廃水からのタンパク質回収効果と放射線照射効果について検討した。馬鈴薯澱粉廃液、血液廃液およびBtreptomyces菌体懸濁液をモデルとして取り上げ、キトサンによる凝集効果を検討した結果、懸濁物質凝集のためのキトサン最適濃度は澱粉廃液で0.8~1.010%、血液廃液で6~810%菌体懸濁液で3~510%であった。殺菌線量レベルの照射を行った廃水では、澱粉および血液廃水でキトサンによる凝集促進効果が認められた。とくに澱粉廃液中の水可溶性タンパク質に対するキトサンによる凝集効果は照射により著しく増大させることができた。一方、菌体懸濁液を照射すると、キトサンによる凝集効果は減少することが認められた。